1. はじめに(導入文)
Pythonにおけるif、elif、else文は、複数の条件を判定して処理を分岐させるための基本的かつ非常に重要な構文です。これらを使いこなせるようになると、プログラムに柔軟性を持たせることができ、実務でも幅広く活用できます。
この記事では、Pythonで複数条件を扱うif、elif、else文の使い方について、基本構文から応用例、注意点までを丁寧に解説します。初心者〜中級者の方が躓きやすいポイントにも触れ、実務での活用イメージも持てるように構成しています。
2. Pythonのif、elif、else文の基本
2-1. if文の基本構文
Pythonのif文は、条件が真(True)のときに特定の処理を実行するために使用します。
x = 10
if x > 5:
print("xは5より大きい")
実行結果:
xは5より大きい
2-2. elifとelseの使い方
複数の条件を順に評価したい場合はelif
(else ifの略)を、すべての条件がFalseの場合の処理にはelse
を使います。
if x > 5:
print("xは5より大きい")
elif x == 5:
print("xは5と等しい")
else:
print("xは5より小さい")
実行結果:
xは5より小さい
2-3. 条件式に使える演算子
条件式では以下のような比較演算子や論理演算子が使えます:
==
:等しい!=
:等しくない>
:より大きい<
:より小さい>=
、<=
:以上/以下and
、or
、not
:論理演算
3. Python|複数条件を扱うif、elif、else文の使い方の応用例
3-1. 複数条件をandやorでつなぐ
複数の条件を組み合わせたい場合、and
やor
を使います。
age = 25
score = 80
if age >= 20 and score >= 70:
print("合格です")
実行結果:
合格です
3-2. elifを使ったランク判定
テストの点数によって評価を分ける例です:
score = 85
if score >= 90:
print("Aランク")
elif score >= 70:
print("Bランク")
elif score >= 50:
print("Cランク")
else:
print("Dランク")
実行結果:
Bランク
3-3. 実務での利用例:ログイン判定
ユーザー名とパスワードの入力によるログイン判定例です。
username = "admin"
password = "pass123"
if username == "admin" and password == "pass123":
print("ログイン成功")
else:
print("ログイン失敗")
実行結果:
ログイン成功
4. よくある注意点・エラー対策
4-1. インデントのミス
Pythonではインデント(字下げ)が文法の一部です。インデントが揃っていないとエラーになります。
# 間違いの例
x = 10
if x > 5:
print("xは5より大きい") # ←インデントが必要
エラー: IndentationErrorが発生します。
4-2. elifやelseの順序
if → elif → else
の順で書く必要があります。順序が逆になると構文エラーになります。
4-3. 条件の重複に注意
条件が重複していると、意図しない分岐になることがあります。
score = 95
if score >= 90:
print("A")
elif score >= 80:
print("B")
実行結果:
A
(最初の条件でTrueになったら以降は評価されません)
5. まとめ
この記事では、Pythonのif、elif、else文を使った複数条件の扱い方について、基本から応用までを解説しました。
- if文は条件がTrueのときに実行される
- elifで条件を追加できる
- elseですべての条件がFalseのときの処理を指定できる
- andやorで複数条件を組み合わせられる
これらの条件分岐は、日常的な業務処理(例:データ分類やユーザー認証など)に頻繁に登場します。
まずは基本の構文をしっかり理解し、簡単なプログラムから試していくことで自然に身につきます。
実務で役立てるコツ: 条件分岐は、入力値のチェックや自動処理の分岐など、実務システムで頻出です。慣れてくれば、より複雑なロジックもスムーズに書けるようになります。