Python｜モジュールのインポート方法

1. はじめに

Pythonでの開発を効率よく進めるために欠かせないのがモジュールのインポートです。Pythonは標準ライブラリが非常に充実しており、また外部ライブラリも豊富に存在するため、必要な機能をインポートするだけで簡単に使えるのが大きな魅力です。

この記事では、Python初心者〜中級者の方を対象に、モジュールの基本的なインポート方法から、よくある使い方、エラーの対処法までを丁寧に解説します。具体的なコード例とその実行結果も合わせて紹介するので、実際に試しながら学んでみてください。

モジュールとは、関数やクラス、定数などをまとめたPythonファイルのことです。Pythonでは標準で用意されているモジュールの他に、自作や外部パッケージもモジュールとして利用できます。

以下は、Pythonでモジュールをインポートする基本的な構文です。

# mathモジュールをインポート
import math

# mathモジュールの関数を使う
print(math.sqrt(16))  # 平方根を計算

実行結果：

4.0

このように、import モジュール名の形式でモジュールを読み込むと、モジュール内の関数をモジュール名.関数名で使うことができます。

必要な関数だけをピンポイントでインポートしたい場合はfrom ～ import ～を使います。

# sqrt関数だけをインポート
from math import sqrt

print(sqrt(25))

実行結果：

5.0

この方法ではmath.sqrt()のようにモジュール名を省略して呼び出せるため、コードがスッキリします。

モジュール名が長い場合や省略したい場合は、asを使って別名を付けることができます。

import numpy as np  # numpyをnpという別名で使う

array = np.array([1, 2, 3])
print(array)

実行結果：

[1 2 3]

NumPyやPandasなど、よく使われる外部ライブラリではnpやpdといったエイリアスが定番です。

Pythonでは、自分で作ったモジュールも簡単にインポートできます。以下はmy_module.pyというファイルに関数を定義し、それを別のファイルで呼び出す例です。

my_module.py

def greet(name):
    return f"Hello, {name}!"

main.py

import my_module

print(my_module.greet("Python"))

実行結果：

Hello, Python!

ファイルが同じディレクトリ内にあれば、モジュール名（ファイル名）だけでインポート可能です。

from ～ import *の形式で、モジュール内のすべての関数を一括インポートできますが、推奨はされません。

from math import *

print(sin(3.14))  # sin関数も直接使える

実行結果：

0.0015926529164868282

便利ですが、どこから来た関数かが不明瞭になるため、可読性や保守性を考慮して明示的なインポートが望ましいです。

インポート時に以下のようなエラーが出る場合は、モジュールがインストールされていない可能性があります。

ModuleNotFoundError: No module named 'xxxxx'

この場合は、ターミナルで以下のようにpipを使ってインストールしましょう。

pip install モジュール名

自作のモジュール名が標準ライブラリや外部ライブラリと重なると、意図しない動作になることがあります。たとえば、自作でrandom.pyを作ると、標準のrandomモジュールが使えなくなる可能性があります。

モジュール間に依存関係がある場合、正しい順序でインポートしないとエラーになることがあります。また、循環インポート（お互いにインポートし合う）は設計見直しを検討しましょう。

この記事では、Pythonのモジュールのインポート方法について、基本構文から実践的な応用、エラー対策までを解説しました。

モジュールのインポートは、Pythonを使いこなすための第一歩。学習初期に習得しておくと、今後のコードが格段に読みやすく・書きやすくなります。ぜひ手を動かしながら、実務にも活かせるスキルにしていきましょう！