1. はじめに
Pythonで文字列を効率的に組み立てたいときに便利なのがフォーマット文字列(f-string)です。f-stringはPython3.6以降で使用可能になった機能で、可読性が高く、処理も高速なため、初心者から実務レベルまで幅広く活用されています。
本記事では、Python|フォーマット文字列f-stringの使い方と応用例というテーマで、基本的な使い方から実務的な応用例、注意点までを丁寧に解説します。初学者にもわかりやすいコード付きで紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
2. f-stringの基本的な使い方
f-stringとは?
f-stringは、文字列の中に変数や式を直接埋め込めるフォーマット方法です。文字列の前に f
をつけ、波かっこ {}
の中に変数や式を書くことで、展開されます。
基本的な書き方
name = "太郎"
age = 25
message = f"{name}さんは{age}歳です"
print(message)
実行結果:
太郎さんは25歳です
このように、変数name
やage
の値が、文字列の中に自然に埋め込まれます。
式も使える
a = 10
b = 20
result = f"{a} + {b} = {a + b}"
print(result)
実行結果:
10 + 20 = 30
{a + b}
のように式も埋め込むことができる点が、f-stringの大きな特徴です。
3. よくある使い方・応用例
小数点の表示桁数を指定
数値を整形して表示したいときにもf-stringは有効です。
pi = 3.1415926535
print(f"円周率は{pi:.2f}です") # 小数点以下2桁に丸める
実行結果:
円周率は3.14です
日付のフォーマット
datetime
モジュールと組み合わせると、日付の表示にも活用できます。
from datetime import datetime
now = datetime.now()
print(f"現在日時: {now:%Y/%m/%d %H:%M}")
実行結果:
現在日時: 2025/07/06 10:30
辞書を使ったフォーマット
f-stringは辞書の値も直接参照できます。
user = {"name": "花子", "age": 22}
print(f"{user['name']}さんの年齢は{user['age']}歳です")
実行結果:
花子さんの年齢は22歳です
ゼロ埋め(ゼロパディング)
桁数を揃えるフォーマットも可能です。
number = 7
print(f"{number:03}") # 3桁になるようゼロ埋め
実行結果:
007
4. 注意点・エラー対策
Python 3.6未満では使えない
f-stringはPython 3.6から導入されたため、3.5以前では使用できません。
その場合はformat()
関数を使う必要があります。
文字列の中に波かっこを使いたい場合
f-stringでは{}
が特別な意味を持つため、文字として波かっこを使いたい場合は、{{
と}}
でエスケープする必要があります。
print(f"辞書の書き方は {{'key': 'value'}} です")
実行結果:
辞書の書き方は {'key': 'value'} です
式内のミスに注意
{a + }
のように、式が不完全だとエラーになります。f-string内では、Pythonの文法がそのまま適用されるので、細かい記述ミスにも注意しましょう。
5. まとめ
本記事ではPythonのフォーマット文字列f-stringについて、基本の使い方から応用例、注意点までを解説しました。f-stringは次のような特徴があります。
- 可読性が高く、簡潔に書ける
- 変数や式をそのまま埋め込める
- 数値や日付などの整形にも対応
実務ではログの出力、ファイル名の自動生成、デバッグ情報の表示など、様々な場面で活用できます。Python学習者にとっては、早めに習得すべき必須スキルといえるでしょう。
まずは簡単な文から練習して、徐々に応用例にチャレンジしてみてください。f-stringを使いこなせれば、Pythonでの文字列操作がぐっと楽になりますよ!