1. はじめに
この記事では、Python|度をラジアンに変換する:math.radians() について詳しく解説します。
角度(degree)とラジアン(radian)の変換は、数学計算やグラフィックス処理、物理シミュレーションなどでよく必要になります。
Pythonの math.radians()
関数を使えば、度数法(°)で表された角度をラジアンに簡単に変換できます。
この記事を読むことで、math.radians() の基本的な使い方から、実務での応用例、そして注意点までを理解できます。
2. math.radians() の基本解説
Pythonの math.radians()
関数は、角度をラジアンに変換するための関数です。
ラジアンは円の中心角を円の半径で割った値で、1周(360°)が 2π
ラジアンに相当します。
つまり、1ラジアン ≈ 57.2958° です。
math.radians() の構文
import math
# math.radians(度数)
radian_value = math.radians(180) # 180度をラジアンに変換
print(radian_value)
実行結果:
3.141592653589793
上記の例では、180°が π ラジアンに変換されました。
なぜラジアンが必要か
多くのPythonの数学関数(例:math.sin()
, math.cos()
)は、引数としてラジアンを使用します。
そのため、度数で角度を持っている場合は、計算前に math.radians()
で変換しておく必要があります。
3. よくある使い方・応用例
3-1. 三角関数との組み合わせ
三角関数に度数を直接渡すと正しい結果が得られません。
math.radians()
を使って変換してから渡します。
import math
angle_deg = 90
# 度をラジアンに変換
angle_rad = math.radians(angle_deg)
# sin(90°) を計算
result = math.sin(angle_rad)
print(result)
実行結果:
1.0
90°の正弦値は1になります。
もしmath.radians()
を使わずに math.sin(90)
とすると、90ラジアンを意味し、予想と全く違う結果になります。
3-2. リスト内包表記で一括変換
複数の角度をまとめてラジアンに変換する場合、リスト内包表記が便利です。
import math
angles_deg = [0, 30, 45, 60, 90, 180]
angles_rad = [math.radians(a) for a in angles_deg]
print(angles_rad)
実行結果:
[0.0, 0.5235987755982988, 0.7853981633974483, 1.0471975511965976, 1.5707963267948966, 3.141592653589793]
3-3. グラフィックスやアニメーションでの利用
ゲームやシミュレーションでは、回転角度をラジアンで扱うライブラリが多くあります。
例えば、Pygameなどでオブジェクトの回転を設定するときもラジアン変換が必要です。
4. 注意点・エラー対策
- ラジアンを度数に戻したい場合は
math.degrees()
を使う
誤って逆方向に計算すると結果が異なります。 - 三角関数は必ずラジアン
math.sin()
やmath.cos()
に度を直接渡すのはNGです。 - 整数と浮動小数の扱い
math.radians()
は整数でも浮動小数でもOKですが、結果は常に浮動小数です。
エラー例
import math
# 度数を直接渡してしまった場合
print(math.sin(90))
実行結果:
0.8939966636005579
この結果は「90°のsin」ではなく「90ラジアンのsin」です。
度を扱う場合は必ず math.radians()
を通しましょう。
5. まとめ
この記事では、Pythonの math.radians() 関数 について、基本的な使い方から応用例、注意点まで解説しました。
- math.radians() は度数 → ラジアン変換に使う
- 三角関数を使う前に必ずラジアンに変換する
- 逆変換は math.degrees() で行う
実務でも、三角関数やグラフィックス処理、物理演算を行う場面で非常に役立つ関数です。
度数とラジアンの変換は、Pythonで数値計算を行う上で欠かせない基礎スキルなので、ぜひ習得してください。