Python|数値型を変換する:int(), float(), complex()

1. はじめに

Pythonでは、異なる数値型(整数型、浮動小数点型、複素数型)を簡単に変換することができます。この記事では、int()float()complex() 関数を使って「数値型を変換する」方法を詳しく解説します。

これらの関数を使えば、文字列から数値型への変換や、小数から整数、実数から複素数など、さまざまな数値処理が柔軟に行えます。特にPython初心者の方は、この数値型変換の基礎をしっかり押さえておくことで、後々の処理やエラー対策がスムーズになります。

 

2. Pythonの数値型とint()、float()、complex()の基本

2.1 Pythonの基本的な数値型とは?

Pythonには主に次の3つの数値型があります。

  • int:整数型(例:1, -10, 0)
  • float:浮動小数点型(例:3.14, -0.5, 2.0)
  • complex:複素数型(例:2+3j, -1j)

これらはPythonの基本型であり、変換にはそれぞれ int()float()complex() を使います。

2.2 int()で整数型に変換

float型や数値を表す文字列を整数に変換できます。

# floatからintへ変換
a = int(3.7)
print(a)

# 文字列からintへ変換
b = int("42")
print(b)

実行結果:

3
42

2.3 float()で浮動小数点型に変換

整数や文字列を浮動小数点数に変換します。

# intからfloatへ変換
a = float(5)
print(a)

# 文字列からfloatへ変換
b = float("3.14")
print(b)

実行結果:

5.0
3.14

2.4 complex()で複素数型に変換

実部と虚部を指定して複素数を作成できます。

# 実数のみ
a = complex(3)
print(a)

# 実部と虚部を指定
b = complex(2, -4)
print(b)

# 文字列から複素数を生成
c = complex("1+2j")
print(c)

実行結果:

(3+0j)
(2-4j)
(1+2j)

 

3. よくある使い方・応用例

3.1 ユーザー入力の型変換

ユーザーからの入力(input())は文字列型で受け取るため、数値として使うには型変換が必要です。

# ユーザー入力を整数に変換
num = int(input("整数を入力してください: "))
print(f"2倍すると: {num * 2}")

3.2 数学的な計算での変換

割り算の結果をfloatに変換してからさらに複素数にする、など複合的な使い方もあります。

# 割り算結果をfloat → complexに変換
result = 5 / 2
float_result = float(result)
complex_result = complex(float_result)
print(complex_result)

実行結果:

(2.5+0j)

3.3 数値リストの一括変換

リスト内包表記で一括して型変換することもよくあります。

# 文字列のリストをfloatに変換
str_nums = ["1.1", "2.2", "3.3"]
float_nums = [float(x) for x in str_nums]
print(float_nums)

実行結果:

[1.1, 2.2, 3.3]

 

4. 注意点・エラー対策

4.1 無効な文字列は変換できない

文字列が正しい数値でないと変換時にエラーになります。

# 無効な文字列をintに変換しようとするとエラー
val = int("abc")  # ValueError

対処法:

try:
    val = int("abc")
except ValueError:
    print("整数に変換できませんでした")

4.2 floatからintへの変換では小数点以下が切り捨てられる

float → intの変換は四捨五入ではなく、単純な切り捨てです。

a = int(9.9)
print(a)

実行結果:

9

4.3 complexの引数に注意

complex() に文字列を渡すときは、正しい形式(”a+bj”)である必要があります。

 

5. まとめ

今回は、Pythonにおける数値型の変換方法として int()float()complex() 関数の使い方を解説しました。

  • int():整数に変換(小数点以下は切り捨て)
  • float():小数点付きの浮動小数点数に変換
  • complex():複素数に変換(実部+虚部j)

これらの関数はデータ型の変換だけでなく、ユーザー入力の処理や計算精度の調整、エラー防止にも活用できます。数値を扱う処理では欠かせない基本スキルです。

実務でも、CSVデータの前処理やWebフォームの入力値変換など、さまざまな場面で活用できます。ぜひ、コードを書きながら慣れていきましょう。

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