Python|バイト列を文字列に変換する

1. はじめに

Pythonでは「バイト列を文字列に変換する」処理がさまざまな場面で必要になります。たとえば、ファイルの読み書き、ネットワーク通信、APIのレスポンス処理などで、エンコードされたデータを読みやすい文字列に戻す必要があります。
本記事では、Pythonでバイト列(bytes)を文字列(str)に変換する基本的な方法から、よくある使用例、エラー対策までを初心者にもわかりやすく解説します。

この記事を読むことで、Pythonでバイト列を文字列に変換する方法や、その仕組み、注意点を理解し、実務にも応用できるようになります。

 

2. Pythonにおけるバイト列と文字列の違いと変換方法

2-1. バイト列(bytes)とは?

Pythonのバイト列(bytes)とは、文字ではなく数値(バイト)として扱うデータ型です。通常、ファイルや通信データ、外部システムから受け取るデータはこの形式です。

2-2. bytesからstrへの基本的な変換:decode()メソッド

バイト列を文字列に変換するには、decode()メソッドを使います。
エンコーディングには多くの場合、UTF-8が使用されます。

# バイト列を定義
byte_data = b'Hello, Python!'

# decode()メソッドで文字列に変換
string_data = byte_data.decode('utf-8')

print(string_data)

実行結果:

Hello, Python!

このように、b'文字列'形式のバイト列をdecode('utf-8')で簡単に文字列に戻せます。

 

3. よくある使い方・応用例

3-1. ファイル読み込み時のバイト列変換

バイナリモードでファイルを開くと、データはバイト列で読み込まれます。これを文字列として扱うには、decode()が必要です。

# ファイルをバイナリモードで開く
with open('sample.txt', 'rb') as f:
    byte_data = f.read()

# UTF-8で文字列に変換
text = byte_data.decode('utf-8')
print(text)

実行結果:

(sample.txtの中身が出力される)

3-2. ネットワーク通信やAPIレスポンスのデコード

APIからのレスポンスやsocket通信の結果もバイト列になる場合があり、それを文字列として扱うためにはdecode()が必要です。

import urllib.request

response = urllib.request.urlopen('https://example.com')
byte_data = response.read()

# サイトのHTMLを文字列として取得
html = byte_data.decode('utf-8')
print(html[:200])  # 先頭200文字だけ表示

実行結果:

<!doctype html>
<html>
<head><title>Example Domain</title>
...

3-3. 異なる文字コードの変換

ファイルがShift_JISなどUTF-8以外のエンコードで保存されている場合は、正しいエンコードを指定する必要があります。

# Shift_JISでエンコードされたバイト列
byte_data = 'こんにちは'.encode('shift_jis')

# Shift_JISでデコード
text = byte_data.decode('shift_jis')
print(text)

実行結果:

こんにちは

 

4. 注意点・エラー対策

4-1. UnicodeDecodeErrorが発生する原因

文字コードが一致しないと、UnicodeDecodeErrorが発生します。たとえば、Shift_JISでエンコードされたデータをUTF-8でデコードしようとするとエラーになります。

byte_data = 'こんにちは'.encode('shift_jis')

# 間違ったエンコーディングでデコード(エラーになります)
text = byte_data.decode('utf-8')

実行結果:

UnicodeDecodeError: 'utf-8' codec can't decode byte ...

このようなエラーを防ぐには、バイト列のエンコーディングを確認して、正しい文字コードを指定することが重要です。

4-2. 不明なエンコーディングへの対処

エンコーディングが不明な場合は、chardetライブラリで自動判定するのも一つの方法です。

import chardet

# 例:Shift_JISのバイト列
byte_data = 'テスト'.encode('shift_jis')

# エンコーディングを推測
result = chardet.detect(byte_data)
encoding = result['encoding']

# 推測されたエンコーディングでデコード
text = byte_data.decode(encoding)
print(text)

実行結果:

テスト

 

5. まとめ

  • バイト列(bytes)から文字列(str)へはdecode()で変換できる。
  • 文字コードに注意しないとUnicodeDecodeErrorが発生する。
  • ファイル読み込みやAPIレスポンス処理などでよく使われる。

実務では、ログファイルやバイナリファイル、ネットワーク通信データなどを扱う際にバイト列から文字列への変換が頻繁に登場します。
文字コードの基本を押さえ、適切なdecode()の使い方を身につけておくと、実務でもトラブルシューティングがしやすくなります。

学習のコツとしては、「文字列 ⇔ バイト列の変換」はセットで学ぶこと。次はencode()についても学ぶと、より理解が深まります。

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